文：Taku Takahashi

君はハーモニーを作り出す驚くべき才能を持ってますよね。最初にその才能に気付いたのは、いつだったの？ [Gildas Loaec (Kitsune)]

僕は生まれつきハーモニーが身についているんだと思う。最初に作ったハーモニーの記憶は、非常に幼い時。正確な年は覚えてないんだけど、クリスマス時期に母親と祖母がキッチンのテーブルでクリスマスキャロルを歌ってたんだ。母親が「きよしこの夜」を歌い始め、それにあうハーモニーを見い出しながら皆でハーモニーで参加していく感じで。小さかった僕はソプラノ・ハーモニーを担当。実は18歳くらいまでは僕の声は高かったんだよね。その頃は高い声をしていることが好きじゃなかったんだけど、今ではあの高音域の一部でも取り戻せたらなあ、と思うよ（笑）

1990年代から現在に至るまでリミキサーとして確固たる地位を築いていると思うのですが、一聴しただけであなたの作品だと分かるカットアップを多用しメロディアスに再構築する独自のスタイルはどのようにして確立されたですか？[Jun (80KIDZ)]


僕が1990年に購入したEnsoniq EPS サンプラーという楽器は、カットアップ・サンプリング（ぶつぶつ切り刻む）スタイルの刺激を与えた重要な器材でした。そもそも僕は多くの音楽機材を買う余裕がなかったから。、サンプルを用いて音楽を制作しなければならなかった。それはサンプルをループ再生して、フェードアウトして、ディレイ（エコーサウンド）を作ったり、いろいろなことをしたよ。持っている機材の種類に制限があると、逆にたくさんのトリックが思いつくものです。なので、僕のスタイルの一部は、手持ちの最小限の音楽機器を使用することから産まれてきてるんだ。

そして、ボーカルをカットアップして、それらから新しいメロディーを制作した最初の人物であるMKからも刺激されたり、楽器として自分自身の声のハーモニーを使用するケルト人のアーティスト、Enyaにも影響されました。僕はこれらの二つのアイデアを混合して、そこにKenny "Dope” Gonzalezのシャッフルするドラムと組み合わせることによって、三つの異なる要素が私のサウンドを作り出した。僕はただ、誰にでもすぐ「僕」だという見分けのつくサウンドが欲しかった。それがそこまで衝撃を与えるものとは思ってはいませんでした。


あなたは自身の作品以外にもDAFTPUNKやSURKIN等といった他のクリエイターとのコラボレーションも数多く行っていますが、そういったコラボレーションを行うことに至る経緯やどのようにして制作を進めていくのか教えてください。

コラボレーションはそれぞれ異なるもの。なぜなら、誰もが異なった働き方をするからです。Surkin とのコラボはとてもやりやすい。二人とも音楽的思考が似ているんだよね。彼がドラムパターンを作って、僕が上ネタとしていくつかのカットアップ要素を加えていったり。それから、彼がまたいくつかの要素を加えていく。次の曲では、僕がドラムパターンを始めることによって、プロセスを逆転させたり。トラックが完成したら、歌のメロディーと歌詞を書き始めます。トラックの制作とメロや詩を書く作業を同時進行にやるより、まずはトラックができているほうがやりやすいんだよね。

僕はセッション中、できるだけ協調的であるよう試みるようにします。せっかくコラボをしているのに、一緒に作っている人が意見やアイデアを出せない環境には絶対したくないしね。あと、逆にスタジオで最も好ましくないことは、我よ我よと、アーティストがセッションをコントロール争いをしてしまうこと。お互いの良さを出せるのがとても大事なことだと思う。

あなたが最も影響を受けた、また自分の音楽スタイルを形成するにあたってインスパイア元となったアーティストやプロデューサーは誰ですか？(Takeru John Otoguro)

僕の最古のインスピレーションは、Todd Terry、Roger Sanchez、Little Louie Vega、Kenny “Dope” Gonzalez、そしてMK。彼らは、僕がHouse音楽を制作した最初の二年間に、最も良く聴いた音楽のプロデューサーたちなんだ。最近はNVOY、Devolution、Kry Wolf、Billonといった若年のアーティストをチェックしてる。ただ当時とは違った聴きかたをしていて、彼らからのヴァイブスからインスパイアされたり、逆に僕だったらそこに何を足せるか?とかを想像したりしてます。




もっと「質問してみた」を読みたい方へ、Part2はこちら。

8/29(土) Kitsuné Club Night @ ageHa, Tokyo
DOOR : 3,500yen / ageHa MEMBER : 2,500yen
ラインナップ : Todd Edwards, Gildas, Boys Get Hurt, EITA, TETSUYA SUZUKI, PAIN O CHOKOLAT SOUND SYSTEM
iFLYER : http://iflyer.tv/ja/event/240946/






8/28(金) Kitsuné Club Night @ Live&Bar11 -Onzieme-, Osaka
DOOR:3000YEN(1D) / 前売 1900YEN(別途1D)
ラインナップ : Todd Edwards, TAKU-HERO(KILL THE HERO), sou , RELOAD RELOAD, NKZY, kazuya imoto
iFLYER :http://iflyer.tv/ja/event/240594/