文：Taku Takahashi

数々のクリエイターたちに大きな影響を与えてきた、Todd Edwardsが8月28日初来日する。そんな彼にblock.fmにゆかりのあるクリエイター/DJたちが質問してみました。今回は2日目。クリエーションと音楽への姿勢について。

あなたのシグネチャーサウンドのひとつに「Chopped Sample」すなわち色々な曲から、サンプルをブツ切りにして曲を構築するスタイルがありますよね。その手法を前よりも使わなくなってきたイメージを持っています。このスタイルの変化には何か理由はあったりするんですか？また、音楽を作成するために使用する機材によって、あなたの全体的なサウンド／スタイルに影響はあったりしますか？[☆Taku Takahashi(m-flo)]

まず、最初に言いたいのが、今回キミからの質問に答えるのはとても光栄なことだよ、タク。質問に戻るけど、最近サンプルをあまりチョップした作品を作っていない理由は二つあるんだ。どちらも大事なことで、アーティストは、自分自身のため、そして他人のために音楽を制作するもの。そのバランスを見い出すのは簡単なことではないと思う。僕はサンプリング主体のアートフォームが大好きで、それが好きなあまり、一生それに没頭できると思う。でも、僕は視聴者とつながりを持つことも好きで、音楽というのは共有されるべきものだと思ってるんだ。テイストが変化するにつれて、アーティストは進化するか、以前していたことをし続けるかの選択を求められる。僕は音楽を単に芸術作品としてではなく、言語としてもみなし始めているんだ。

若い世代が作り手の言語を理解しないのであれば、その詩がどんなに素晴らしくても、作り手の言葉は聞き流されてしまう。だから、彼らの言語をいくらか学び、詩を作るためにその言語を使っていく。それが理解されれば、彼らは作り手の以前の作品に振り返り、以前の言語で新しい詩を聞くことに対して一層心を開いてくれるかもしれない。これが一番の理由。もう一つの理由は、DJとしてプレイしている音楽の影響によるもの。最近の僕のセットは、より一層ハウスに刺激されてる。これは同様に僕の作品にも刺激を与えているんだと思う。僕がサンプリングの芸術形式を去ることは決してないと思う。でも、現在の僕は成長と探検の時期にいるんだ。これからも切り刻まれたサンプル主体の音楽も制作していくつもりだよ。

デジタルでシェアできてしまうために、音楽ビジネスが中々収益を上げづらくなる中で、若者が音楽家を目指さなくなる状況がここ日本でもあります。あなたはなぜ音楽を仕事にしようと考えたのですか？そしていま、音楽家を目指す人達にアドバイスはありますか？[Tomoyuki Tanaka(FPM)]

僕は常にプロとして音楽を制作することを心がけていましたが、そこには何の保証もありませんでした。念のため大学へいってマーケティングの学位を習得したり。それから身を立てることができ、ラッキーだったのかも。でも、そこには多くの浮き沈みがありました。良い年もあれば、悪い年もあったり。実際、2007年にはカスタマーサービスの職を得て、2年間働きました。

アーティストという人種は制作したいという強い欲求があります。ストレスを感じている間は潜伏状態に入りかねますが、常に作りたいという欲求は戻ってきます。そして自分自身に嘘はつけないもの。僕は安定した仕事と生活を追及するよりも、自分が本当にしたいことを選びました。音楽家を目指している方たちには「もし、音楽を作りたい欲求が強いのなら、その道を選びなよ！」とアドバイスしたいと思います。音楽で食べていけない人は、ストレスと疲労が最小限な仕事を見つけると良いと思います。そうすれば、仕事の後、音楽に没頭できますし。

私は音楽を作成して最初の二年間は、リア充的なライフなんて本当にありませんでした。成功してからでさえも、私は部屋で音楽を制作するのに多くの時間を独りで過ごしました。自分自身、そういうふうにプッシュしないといけないと感じたからです。すべてのアーティストは物造りに惹かれていると私は信じます。その感情を抑えないのが大事なこと。人気者や有名になるためにではなく、素晴らしい芸術を作り上げるために。



もっと「質問してみた」を読みたい方へ、Part1はこちら。

8/29(土) Kitsuné Club Night @ ageHa, Tokyo
DOOR : 3,500yen / ageHa MEMBER : 2,500yen
ラインナップ : Todd Edwards, Gildas, Boys Get Hurt, EITA, TETSUYA SUZUKI, PAIN O CHOKOLAT SOUND SYSTEM
iFLYER : http://iflyer.tv/ja/event/240946/








8/28(金) Kitsuné Club Night @ Live&Bar11 -Onzieme-, Osaka
DOOR:3000YEN(1D) / 前売 1900YEN(別途1D)
ラインナップ : Todd Edwards, TAKU-HERO(KILL THE HERO), sou , RELOAD RELOAD, NKZY, kazuya imoto
iFLYER :http://iflyer.tv/ja/event/240594/